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環境工学分野で活躍する技術士の概要について解説 [AD]

1.環境工学分野で活躍する技術士とは

文部科学省管轄の国家資格であり、正式には「技術士 環境部門」のことを指しています。
そもそも技術士とは、科学技術に関する高等な専門的応用能力、監理やマネジメントを行なえる能力を証明するものです。全部で20技術部門が存在し、その中の一つが環境部門となっています。
橋梁やダム建設といった公共事業で大規模な工事を行う際に、事前に自然環境や植物・動物の生態調査を行ないます。これを環境アセスメント(環境影響評価)と呼びます。調査結果を解析し、公共事業の工事によって起こりうる問題を予測します。さらに、それらの問題を回避する方法を考え、技術的なアドバイスを行なう仕事です。

2.環境技術士の資格をとる方法

まずは「修習技術者」となる必要があります。そのためには、認定された教育機関を修了するか、一次試験を受験して合格する必要があります。
認定された教育機関とは、「JABEE認定プログラム修了者」を指します。JABEE認定プログラム修了者となるには、大学その他の教育機関のうち文部科学大臣が指定したものを修了しなければなりません。
JABEE認定プログラム修了者は、一次試験を受ける必要がありません。大学等を卒業後、技術士補として登録でき、その後実務経験を積むことで二次試験の受験資格を得られます。具体的には大学の工学部や農学部が該当するので、技術士になることを望んでいる場合には、大学の事務室などで尋ねてみることをオススメします。

ちなみに、一次試験を受験する場合、部門は何でも良いとされています。修習技術者となったあとは、実務経験を4年(もしくは7年、ただし大学院修了者は2年間短縮)積むことが求められます。コンサルタント企業や、公務員の技術部門などで職務にあたる必要があります。その後、二次試験を環境部門で受験し、合格して、技術士 環境部門の登録を行えば、晴れて環境技術士となることができます。

3.第一次試験の内容

第一次試験は基礎科目と適性科目、専門科目から構成されています。

まず、基礎科目については科学技術全般にわたる基礎知識が出題されます。下記の通りとなっています。
(1) 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計、品質管理等)
(2) 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
(3) 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
(4) 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
(5) 環境・エネルギー・技術に関するもの(環境、エネルギー、技術史等)

適性科目については、技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性が問われます。

専門科目は、全20技術部門の中から1技術部門を選択します。ちなみに環境部門の出題範囲は、大気、水、土壌等の環境の保全/地球環境の保全/廃棄物等の物質循環の管理/環境の状況の測定分析及び監視/自然生態系及び風景の保全/自然環境の再生・修復及び自然とのふれあい推進 となっています。

4.第二次試験の内容

第二次試験は、筆記及び口頭の方法により行われます。口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ実施されます。
筆記試験には必須科目と選択科目があり、必須科目は記述式です。技術に関する全般的な専門知識、応用能力や問題解決能力、課題遂行能力などが問われます。選択科目については、専門知識及び応用能力に関するものと問題解決能力及び課題遂行能力に関するものがあります。
なお、環境部門には「環境保全計画 」「環境測定」「自然環境保全」「環境影響評価 」の四つが存在します。

5.この仕事に向いている人とは

地球・地域の環境問題に敏感であることはもちろんですが、自然環境の保護と人間の経済活動をどう両立させるかを考えることにやりがいを感じる人が向いていると言えます。道路や橋、ダムの建設といったときに、いかに自然環境を保護し、保全し、そして復元と創出を提案できるかが鍵となります。
利害関係者との調整場面も多いため、単に技術や知識を持っているだけではなく、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力についても高度なレベルが求められます

6.独学での取得が可能かどうか

環境部門は「花形」ではなく、どちらかというとマイナーな分野なので、受験者数がそれほど多くありません。それゆえに、参考書や問題集の種類はそれほど多くないのが現状です。しかし、第一次試験・第二次試験ともに販売はされているため、購入してしっかりと対策しておくことが大切です。専門用語の理解や計算問題の解読をしておきましょう。論文問題では問われていることに的確に答えると同時に、自身の考えを明確に記述できるようにしておく必要があります。
独学での合格も決して不可能ではありませんが、不安があるという方には通信講座の活用もオススメします。添削やオンラインでも模擬口頭試験などが受けられるため、より実践的な対策が可能となります。

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